オンラインからオフラインへ。 短期間で急成長した「KEY MEMORY」代表が語る、 新感覚SPAとは。

(株)KEYMEMORY鈴木一平

鈴木 一平(スズキ イッペイ) / 株式会社KEYMEMORY 代表取締役 : 1993年生まれ、明治学院大学経済学部卒。卒業後、(株) Jフロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)に入社。販売から広告と様々な業務に携わり、2018年に大学の友人と株式会社KEY MEMORYを設立。

 

2017年からオンラインSPAブランドとしてスタートした鎌倉生まれのブランド「KEY MEMORY」が、短期間で好調に売上を伸ばし、注目を集めている。「KEY MEMORY」はファッションを超えて、「思い出」を届けたいというコンセプトのもと生まれた、ナチュラルテイストのユニセックスブランド。法人設立前はSNSを通じて告知し、自ら運営するオンラインショップで販売。2018年から法人として新たにスタートし、商品数をさらに拡大させた後、4月鎌倉市に直営店をオープン予定。卸しにも力を入れはじめた。そんな短期間で急成長を遂げた「KEY MEMORY」の代表、鈴木を直撃。

 

――「KEY MEMORY」をスタートさせたきっかけはなんですか。

鈴木 : 鎌倉にある実家の庭で、フリーマーケットを行った際、古着と一緒に自分でデザインした服を売ってみたことがきっかけです。楽しくなってかなり作りすぎてしまったんですが、2日間でキレイに完売しました。あの時の感動は忘れませんね。フリーマーケット終了後も、その時来て下さったお客様から次回開催の問い合わせが沢山あって、最初はその「KEY MEMORY」のファンになって下さったお客様達の為に、このブランドをスタートさせました。

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――はじめてで、“完売”。すごいですね。

鈴木 : いえ、実はフリーマーケットが成功したのも、百貨店時代の同期何人かが販売の手伝いに来てくれたからで、自分が自慢できることじゃないんです。(笑)販売員が沢山のお客様を一人一人、丁寧に接客していて、まるで家の庭が“小さな百貨店”になっているようでした。商売をするにおいて「接客」の大切さを改めて学びましたね。

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――素材にもデザインにもかなりこだわっていますが、なぜこんなに安いんですか?

鈴木 : 「KEY MEMORY」が特殊なSPAだからこそ、この価格が実現できています。近年、日本のファッションブランド全体が苦しんでいるのは、生産コストと在庫。百貨店時代も需要と供給の合わない大量の在庫と、作り続けなければならない負のサイクルによく悩まされました。価格を下げるためには、生産数を上げるしかない。しかし、生産数を上げ過ぎると在庫を残すリスクになってしまいます。当たり前ですが、小売の基本的な理想は、需要=供給の状態になっていること。「KEY MEMORY」はなるべくそれを実現させるよう、「商品未完成の状態で発注」という生産者側と特殊な契約を結んでいます。例えば、20種類のTシャツを各100枚ずつ生産したい時、普通はそのまま発注をかけますが、弊社は白のTシャツを2000枚発注し、届いた商品を自分たちで染めたり加工をして20種類のTシャツを生産します。一見無意味に見えますが、この生産の仕方が、一番原価率が低いんです。さらに、この生産方法にすることによって、店頭で売れた分だけを生産することや、ネットでの受注生産を可能にし、受注から店頭に並ぶまでのスパンが大体3~4日間なので、消費者の嗜好の移り変わりを迅速に製品に反映させることもできるんです。

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――なぜネット販売でここまで売れているのに、店舗を構えることにしたんですか。

鈴木 :  やっぱり自分は人と接している方が好きで、人と接していないと新しい何かを生み出すことが出来ないと考えているからです。実際にお客様と接し、リアルな声を五感で感じないと本当のニーズなんて見つけることは出来ません。ネット販売の落とし穴だとも思っています。また、リアル店舗での販売において「モノ消費からコト消費への転換」なども懸念されていますが、自分は買い物をすることもコト消費だと考えています。近年、買い物をすることを「楽しい」と感じる人が減ってきています。そんな人たちをもう一度「買い物は楽しい」と思わせるような最高の空間、「コト消費できる場所」を提供できたらと思い、店舗を置くことを決めました。

(株)KEYMEMORY鈴木一平②

――最近は、個人でネット販売をするビジネスも増えてきていますね。

 鈴木 : ネット販売は、気軽に出来てリスクも少ない。凄く便利だと思います。しかし、ネットでは多くのサービスが無料。取引にしても相場がすぐ分かるため、価格競争が激しい“買い手市場”です。それに比べて店舗販売は、「何かを買ったり頼んだりするときにお金を払う」という習慣がしっかり残っているので、実際ネットに比べるとビジネスが成り立ちやすいかと思います。

――ファッションビジネスを成功させる為には、何が必要だと思いますか。

鈴木 : 「想像力」と「行動力」だと思います。相手を思いやり、ニーズとウォンツを引き出す「想像力」。それを出来る限り提供することのできる「行動力」。自分も、この2つの力をこれからも磨いていかなければと思います。

――「KEY MEMORY」の今後の目標について、教えて下さい。

鈴木 : 今は特に具体的な目標はありません。ただ、「人生」というものは「思い出作り」のことだと僕は思うので、「KEY MEMORY」を通じて、「誰かの“思い出”の一部になれたら…」なんて思っています。

 

【KEY MEMORY official site】

http://keymemory-naturallabel.com/

【KEY MEMORY Online Shop】

http://keymemory.co.jp/

 

写真:浮田 隼人

ライター:森嶋 一輝

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